小児外科

小児は 0歳~15歳まで(16歳未満)とされるのが普通です。つまり新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の病気を扱うのが小児外科です。このうち新生児外科は小児外科の特色を最もよくあらわした分野で、日々変化するからだの状態を理解しながら管理してゆかなければなりません。「子供は大人のミニチュアではない」、小児外科を説明するときによく使われる言葉ですが、これほど適切に小児外科の特質をあらわした言葉はありません。

子供は大人に比べてからだが小さく、とくに新生児・未熟児では非常に繊細な手術のテクニックが必要です。おとなの手術と同じ方法ではこどもの手術は行えません。

しかしもっと大事なことは、子供のからだは大人のように完成したものではないことです。肺・腎臓・肝臓など身体のあらゆる臓器が発育の途中にあり機能が未熟です。また、身体の機能の調節のしかたもうまくありません。しかも、発育に伴ってこれらの機能はどんどん変化してゆきます。このような子供の特徴を十分に知った上で手術前後の治療をしなければなりません。薬の使い方・点滴のしかたなどあらゆる面で大人の常識は通用しません。これが小児外科が独立した大きな理由です。

どんな病気をするの?

小児外科はもう少し詳しくいえば「小児一般外科」です。

  • 一般外科の受け持ち範囲は呼吸器(気管・肺など)
  • 消化器(食道から肛門までの消化管・肝臓・膵臓など)
  • その他のお腹の中の臓器(腎臓・脾臓など)
  • 皮膚軟部組織(皮膚・皮下組織・筋肉など)
  • などです。
これらの臓器の外科的な病気、腫瘍などを治療します。