整形外科

整形外科とは人体の骨・関節・筋肉等の運動器系を主に診療研究するする医学の一分野です。 1780年にジャン・アンドレ・ベネルが小児の骨格異常を扱う病院を設立したのが整形外科の始まりと言われています。 ここではみなさんがよく悩まされている肩こり・変形性膝関節症・腰痛症の日常でできる簡単な予防法を紹介します。

肩こり

①休憩を取りましょう!
デスクワークなど長時間同じ姿勢で手先だけを動かしていると、首や肩の筋肉が凝り固まってしまいます。 1時間に1度は椅子から立ち上がって近くを歩き回りましょう。

②体の冷えは天敵です!
「冷え」からくる血行不良は肩こりの原因です。上着やスカーフなどを用いて「寒さ対策」を日ごろから心がけましょう。

③視界は良好ですか?
メガネやコンタクトレンズはあなたの現在の視力にあっていますか?
眼精疲労からくる首や肩周辺の筋肉の収縮、血流の悪化も肩こりの原因です。

④ストレスは溜まっていませんか?
ストレスによって肩周辺の筋肉は収縮し、血流が悪化してしまいます。自分なりのリラックス方法を見つけてストレスを解消しましょう。

⑤適度な運動を!
適度な運動は血流の増加をもたらし、筋肉を維持します。無理のない範囲で体を動かしましょう。まず全身の運動を、続いて肩の運動もお忘れなく。

変形性膝関節症

膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形を生じて、痛みなどが起こる病気です。

①体重を減らして膝への負担を軽くしましょう!
食生活の見直しが第一です。運動としては水中歩行など、膝への負担がないものを取り入れましょう。

ゆっくり行動しましょう!
立つ・座る・走る・跳ぶという動作は膝に大きな負担がかかります。ゆっくり行動することで膝への負担を少なくしましょう。

膝に負担のかかる動作は避けましょう!
過度の運動や階段の昇り降り、重いものを持つという動作は膝への負担が大きくかかります。負担のかかる動作を避けて膝への負担を少なくしましょう。

膝を冷やさないようにしましょう!
日ごろからサポーターなどを利用して膝を冷やさないようにしましょう。

※症状によっては効果がない場合もあるので、最初は自身の判断で行わず、ご相談ください。

和式から洋式の生活へ変えましょう!

正座や和式トイレの使用は膝に大きな負担がかかります。椅子や洋式トイレを使用する生活へ変えましょう。

腰痛症

正しい姿勢で立ちましょう!
背中を壁にあてて、後頭部・背中・お尻・かかとが壁につく状態が正しい姿勢です。常に正しい姿勢を心がけ、長時間の立ち仕事を行う場合は低い台を用意し、片足ずつ交互に足を乗せ替えてみましょう。

正しい姿勢で座りましょう!
椅子に座る場合、お尻が背もたれに密着するように深く腰掛けます。軽くあごを引いて背筋をのばし、お腹を引っ込めます。

中腰は危険な姿勢!
中腰は立っているときの約 1.5 倍の負担がかかります。作業中や重いものを持ち上げるときは中腰にならないように気をつけましょう。また、重いものを持つときは必ず左右均等に分けて持ちましょう。

寝るときも姿勢に注意しましょう!

仰向けに寝る場合は膝下に枕を入れ足を曲げて寝ましょう。うつぶせの状態で寝ることは避けましょう。

肥満を予防しましょう!
肥満になると体の重心線が前方へ移動するので、腰が反り、腰への負担がかかります。生活習慣を見直して肥満を予防しましょう。

脊椎疾患

■頚椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんヘルニア)
頸椎は背骨のうちで首の部分を構成する骨で、7つの椎骨 ( ついこつ ) からなります。上から第1頸椎、第2頸椎と呼び、いちばん下が第7頸椎です。第2~7頸椎までは、それぞれの間に椎間板が挟まっています。椎間板は椎骨と椎骨の間でクッションのようなはたらきをします。その構造は、中心部に髄核 ( ずいかく ) と呼ばれるゼリー状の物質があり、それを取り囲むように線維輪と呼ばれる丈夫な組織があります。髄核はボールベアリング、線維輪はバネのはたらきをしています。頸椎椎間板ヘルニアは、この椎間板の線維輪に亀裂が入り、そのなかの髄核が飛び出して神経(脊髄 ( せきずい ) や神経根)を圧迫し、さまざまな神経症状が現れます。

原因は?
椎間板の年齢的な変化(変性)が基盤にありますが、それに頸椎への運動負荷が加わることによって起こります。このために頸椎椎間板の変性がある程度すすみ、なおかつ頸椎への運動負荷の多い年代、すなわち30~50代が好発年齢になります

変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう
変形性腰椎症は、加齢とともに進む腰椎の変形性変化で、具体的には椎間板の変性、骨棘形成、椎間関節の変性などが主です。進行の程度には個人差があり、症状の出方もさまざまです。痛みは、椎間板や椎間関節に由来する腰痛で、長距離歩行時、長時間同一姿勢をとっていた時、転んだり重い物を持ったあとなどに痛むことが一般的です。何らかの誘因の直後に痛むことがありますが、高齢者の場合は2~5日くらいたってから痛むこともよくあります。

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
変形性腰椎症の結果、脊髄からつながる腰椎レベルでの神経や神経根の圧迫による腰下肢痛や神経症状が出ることがあり、これを腰部脊柱管狭窄症といいます。

腰部脊柱管狭窄症の症状は、
・間欠性跛行【かんけつせいはこう】(決まった時間の歩行で下肢痛を生じ、少し休むとまた歩き始められる、というものです)
・両下肢のしびれ
・冷感
・知覚鈍麻【ちかくどんま】
・筋力の低下
・膀胱の障害など